ダム建設により亀尾島川は失われてしまうのか

こんにちは。

先日、亀尾島川での川遊びについて記事をアップしましたが、少し皆様にも知っていただきたいことがあり、もう少し亀尾島川について書いていきたいと思います。

ダムの建設については賛否両論あり、必ずしもコチラが正しいとか間違っているということではないので、私の方で調査した内容や私見を基に記載させて頂きます。

内ケ谷ダム建設の背景と目的

現在、 亀尾島川(きびしまがわ)では、治水目的の「内ケ谷ダム」の建設が進められています。

位置と目的
内ケ谷ダムは、長良川水系の支流である亀尾島川に建設される治水ダムで、主に洪水調節と流水正常性の維持を目的としています。具体的には、計画高水流量880 m³/sのうち690 m³/sを調節し、下流域の水害軽減に寄与する構想です。

参照: 岐阜県公式サイト

発電設備としての活用も
岐阜県では、内ケ谷水力発電所を併設する計画で、ダム式(維持流量型)で発電出力約730 kW、運転開始は2027年度が見込まれており、年間およそ一般家庭1,500世帯分の発電を想定しています

ダム完成後に想定される影響と変化

1. 治水効果・水量安定化

  • ダム建設後は洪水時の流量が抑制され、下流域の水害リスクが軽減されます。
  • 平常時は、安定した維持流量が放流されるため、水量の確保や流れの安定につながると期待されます
  • 参照: 国土交通省

2. 水質・水温への配慮

  • 選択取水設備により、上下流での水質や水温の変化を最小限に抑えることが可能とされており、現在の河川環境の維持が図られる見通しです
  • 参照:岐阜県公式サイト

3. 土砂流動への影響

  • ダムによって下流への土砂供給が止まり、河床が痩せてしまう恐れがあります。これにより砂や石の構成変化が生じることで、水性生物や景観に悪影響がある懸念も指摘されています
  • 参照:日本河川協会

4. 景観および地域の自然との関係

  • ダムで渓流の現状が大きく変わり、「川との愛着が薄れる」「元の自然美が損なわれる」といった懸念も上がっています。一方で、新たな水辺空間による地域振興の可能性も模索されています
  • 参照:岐阜県公式サイト

5. 環境影響の評価と対策

  • 岐阜県では、環境影響評価を通じて動植物保護策や濁水対策を講じる方針で、工事中の濁水を抑制し、重要な種の保護に努める意向です
  • 参照: 岐阜県公式サイト

ダム建設により治水と発電というメリットとともに、生態系や自然景観の変化という懸念もあり、多面的な視点から今後の動向を見守る必要があります

渓流美はどうなるのか?

一見すると美しい亀尾島川ではあるが、ダム工事の影響で大量の土砂が流れ込み、大雨が降ればかなり川が濁り、その回復にも時間がかかるようになってきていると聞きます。

  • ダムからは維持流量が放流されるため、川が完全に枯れることはありません。
  • ただし、自然の川と比べると
    • 水温が安定しすぎてしまう(季節変化や昼夜差が小さくなる)
    • 流量の増減が少なくなる(大雨で川が勢いを増す自然なダイナミズムが減る)
    • 土砂や石が下流に届きにくくなる(河床が痩せ、川らしさが損なわれる)
      といった影響が出やすいと指摘されています。

その結果、下流では「水はあるが、自然な渓流らしさが薄れる」可能性があります。大雨により一時的にすごい勢いで川が流れることで川は綺麗になり、その清流が保たれるという側面もありますからね。

内ケ谷ダムは2027年に完成予定となっていますが、今後どのように亀尾島川が変わっていくのか気にしながら見ていかなくてはいけないなと思います。

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